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還暦コラージュ:無題#6 [アートギャラリー『還暦』]

【無題#6】

還暦の眺望_B.jpg

遥か彼方に何を望むか
故郷は遠きに在りて想うもの

人生は魂の彷徨なのかも知れない
そして辿り着いたときには恩愛も去り
手放すことの意味を理解することになる。


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還暦を経て~更なる向こう側 [還暦デビュー雑感]

「還暦」という人生のエポックに何か意味のようなものを感じたのは自分が還暦を過ぎて一年ほど経ったときの事だった。
急に目の前が開けたような感じがしてその理由を考えてみたら、どうやら何かが吹っ切れたような視点に立っている事に気がついた。
某ショッピングセンターのCMキャッチフレーズに「視界360°」という言葉があったように覚えているが、還暦という齢を意識した時にまさに頭に浮かんだイメージがそれだった。

環の中心に腰を据えて、無防備なくらい裸の心の状態で、偏見なく外部世界と向かい合える…そんな在り方が出来る齢。体力も能力も劣った代わりに、生き方に心の在り方を示せることが本来の高齢者としての生き方の様な気がした。


最近になって改めて読み直し・観直しをして認識を新たにしているのが童話『星の王子さま』とミュージカル『ラ・マンチャの男』のふたつの古典的物語だ。
ふたつとも一般的に言えば私の様な初老の者にとってはふさわしくない物語だと思われるかも知れないが、その純真な童心とか若々しい夢と冒険心に触れる事は“還暦の視座”に新しい解釈を与える機会でもあった。

『ラ・マンチャの男』に登場する作家セルバンテスの創作した“ドン・キホーテ”は永遠の夢想家として広く知られているが、学生の頃に読んだドン・キホーテとはまた違った印象を受けた。
主人公と齢が近くなったせいでもあるのだろうか…その悲壮とも思えるロマンチシズムに別の深さを見い出すことが出来るようになったのかも知れない。

ラ・マンチャの男.jpg

もうひとつは古典的童話の名作・サン-テグジュペリ作『星の王子さま』の世界観の捉え方にかつて読んだ時とは違った視点を感じた。
それは他愛もない童心の創り出した幻想の様に捉えていた王子さまの世界が、とてつもなくリアリティを持った現世に思えて来たこと。
寓話とかおとぎ話をフィクションとして捉えることが間違っているとは言えないが、それが現実を比喩的に映し出した表現なのだと思えばその時点で読者の世界観は変わってくる。

若い頃の夢は現世のしがらみの中で露のように消え去るものもあって儚い思いもあるだろうけれど、還暦を経て生き続ける夢は時のしがらみを越えて魂の中に生き続けるものなのだ。そんな確信を与えてくれたのが今回の『星の王子さま』との再会だった。

星の王子さま.jpg

ドン・キホーテも星の王子さまも若い頃とはまた違った夢の見方を示唆してくれる。
夢と現実を隔てるものが意識の中から消え去ったときに還暦の新たな第一歩が始まるのかも知れない。


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